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《入院・手術編》

《病歴のインデックスはこちら》

なにげない健康診断のつもりで内視鏡検診を受けただけのに、 突然大腸癌が発見されて、これから不安になっている。 そんな方の役に立てばと思い、個人的な話で恐縮ですが 闘病記をまとめてみました。医学的にはもちろん曖昧ですが、精神的な面で少しでも参考にしていただければと思い書いてみました。

これは、私自身「ケロの大腸癌日記」というホームページを見つけてたいへん参考になったので、私も自分なりにその体験記をまとめてみようということではじめました。私よりもケロさんの方がはるかに詳細に記述されているので、ぜひそちらも参考にしてみてください。ケロの大腸癌日記はこちら

 
2000.3.9
どうせ痔だろうと思っていたのが…

1999年暮れ、食中毒でお世話になってた病院で、いちど大腸癌検診をうけておくことを奨められる。 以前から年齢的にもちょっと気になっていたこともあるし、胃カメラ検査で見つかった十二指腸潰瘍やヘリコバクターピロリ菌も退治してもらっていたので……これを受ければ、口から肛門までの間はすべて健康が証明されると思い、気軽な気持ちで受けることにする。

まず検便の検査ということで、自宅に戻って後日持参する。1週間くらい経って、便に血液反応があるということで書類が郵送されてくる。以前から痔の症状があったので当然と思っていたので、驚くこともなく、次段階の内視鏡の検診予約をとるために、病院にいく。先生も「ほとんどが痔か良性のポリープですよ」というので、安心する。通院検査よりも、二度手間になりにくい一泊入院検査を奨められたのでそうする。

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2000.4.24
えっ。大腸にポリープが3つも!

内視鏡による検査入院。 まず午前中に病院に入って、下剤の液体1.3リットルを 1〜1.5時間かけて、飲む。 薄い食塩水という感じで飲みにくいことはないが、 まぁ。おいしいといってぐんぐん飲めるものではない。 そのあと、1時間ほどしたらトイレに行きたくなる。そのあとはもう、下痢の大洪水。お腹の中がきれいになった頃に、いよいよ検査室に行く。 検査時はお尻のほうに穴のあいたパンツに履き替える。ベッドに横向けに寝て、その状態で胃カメラと同じようなファイバーカメラを挿入される。別に麻酔もしないが痛くもなく。人によっては、胃カメラよりも辛いという人もいるが、私の場合は、なんの辛さもなかった。最後のコーナー部に入れるときだけちょっと圧迫感があったが、それ以外は問題なしである。

そして、いよいよ肛門から直腸、大腸へと入っていくのだが、大腸に入ったところにポリープが3つあるとのことを、カメラが入ったままの状態で、先生より教えてもらう。 結局、ひとつは内視鏡で切除してもらうが、一つは大きすぎるので、そのまま切除できないらしい。あとでどうするかもう一度判断しますと言う説明をその時の検査医から受ける。「ポリープが3つあるのならあとひとつは?」とかいろいろ腑に落ちなかったが、結局開腹手術する方がいいとの説明を受ける。 さらに、そしてゴールデンウィーク時期のため、いったん帰宅してGW後に入院手続きをすると手術がかなり遅くなるので、そのまま入院することを奨められる。そして、そのまま入院。でも、病院の休みの日は検査もないので、比較的自由に外泊許可をもらって帰宅してもいいらしい。

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2000.4.27
がーん。やっぱり、癌!
担当になった主治医が私のベッドに訪ねてくる。どういう風な手術をするのか、簡単に説明を受ける。 そして、結局大腸内にポリープがひとつ残っている事と、それはすぐ横に癌ができているからついでに除去すればいいということで、残してあることを教えてもらう。
 
2000.4.27〜5.6
GW中の平日は、検査のオンパレード
この期間はまさに、手術のための検査ラッシュとなる。胸部CT、胸部エコー、腹部CT、腹部エコー心電図、出血検査、注腸検査、レントゲン各種、血液検査、畜尿検査 その他小さな検査をいっぱい受けて、手術に必要なデータを収集する。 別にとくに辛いという検査はなかったが、注腸はお尻からバリュームを入れた状態でいろんな方向に向きを変えさせられるので、ちょっと気分が悪くなった。
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2000.5.8
手術前日、麻酔や手術など説明してもらう。

手術の前日。 腸の中にものが食物がつまっていては手術ができないので、検査入院で内視鏡検査をした時に、飲んだ液体下剤をまたまた飲む。さすがに2回目は嫌気がさす。下痢は何度も味わうと結構しんどいものである。 食事代わりの点滴がはじまる。

看護婦さんに呼ばれて剃毛してもらうが、これはなかなか恥ずかしい。 しかも、最近は石鹸とカミソリを使うのではなく、電動カミソリでするらしいので、振動がけっこう刺激的である。局部付近をするときなど、コードがひっかかったまま振動が伝わってきたので、危うく元気になりそうになる。(不謹慎かな?)

手術室や麻酔担当医のからの説明を受ける。麻酔は筋肉の動きを止めるものと、眠りを呼ぶもの、それと傷口につながる脊髄神経に打つもの(術後の痛みを和らげる)があるということを教えてもらう。脊髄から入れる麻酔は一般的に痛いと聞いていたので、その点を質問したが、「ウチのは脊髄に入れる前に痛み止めの注射をするので、その注射のチクッとした痛み以外は、なにもないので安心してください」といわれ安心する。

私はあまり眠れなくて困ったということはないのだが…一応そんな人のために睡眠薬を用意しているそうである。早く9時には就寝するように言われたが、困ったことにこの日はTVドラマ「永遠の仔」を見なければいけない(なんでやねん)ので、就寝が11時になってしまう。 しかしその甲斐あって(?)かなり寝付きもよく、朝早く様子を見に来た手術担当主治医に「普通の人は不安でなかなか寝付かれへんのに、ガァーガァー寝てるから凄いなぁ」と呆れられてしまう。

夜、家族が呼ばれ、手術に関する説明が行われる。 切除した細胞からは悪性の細胞が検出されたこと。直腸上部の進行率の低い癌なので、切除して腸をつなぐ「直腸前方切除吻合術」を行うということ。(大腸は機械で縫合され、素材はチタンを使うということである)起こりうる合併症などが説明される。 この時、手術承諾書をもらう。

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2000.5.9
長ーい、長〜い、7時間の大手術でした。

手術当日 午後2時からの予定なので、午前中は、ゆっくりと仮眠する。午後1時すぎ、ちょっと早いが手術室に運ばれていく。寝台ベッドに寝かされているので、よくわからないが、なんかどんどん部屋をはいっていく、2回くらい台を乗り移って最後に手術台(らしい)に乗せられる。 それでは「がんばりましょう!中江さんがんばってや!」という主治医の声が響く。昨日聞かされていた麻酔担当医から麻酔処置がなされていく、海老のようにかがみ込んだ状態で、脊髄の注射がはじまる。ちょっとチクッとした以外は確かに全然何の痛みもない。ただ、太っているので、おなかの肉が支えてかがみ込むのがちょっと苦しい。そして、それがこの後の大変な作業になるとは…。

呼吸マスクをかぶって息をするうちに、自分の名前が一度呼ばれたかどうかよく記憶していないが、意識がなくなる。

………………………………………(手術中)………………………………………。

「なかえさ〜ん。なかえさ〜ん」という大きな呼び声で、意識が戻る。 海老ぞり状態で背中をバンバン叩かれているらしい。「痰を出してください!」という叫び声。痛みはぜんぜんないが、かなりの強さで背中をたたかれている。ゲーゲーと痰を出したようだが、あまり感覚はない。

少し意識が鮮明になってきた。場所は術後回復室である。まだ麻酔が全身に効いているのか、痛みもぜんぜんなく、思ったよりも心地良い。長時間待たされていた(予定よりも4、5時間オーバー)家族が順番に心配そうな顔でのぞきに来る。太っているせいで、午後8時までの大手術であったことを家族から伝えられる。 つまり、本来の手術作業よりも、内臓脂肪が肺を潰さないように空気を送りながらの手術だったので、時間が何倍もかかってしまったと言うわけである。(先生お手数かけました。ありがとうございました。)

術後は麻酔の影響でちゃんとしゃべることができない、ということは事前に聞いていたが、やはり、ナースに意図を伝えようとしても、ホゴホゴといって言葉になりにくい。結局この日は痛みもなにもなく、平穏に寝たきりで過ごす。

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2000.5.10
深夜に麻酔が効かなくなり、痛いよー。
鼻からホースが入っているし、口には酸素呼吸マスクがつけられているのが、ちょっとうっといしい感じはするが、翌日もほぼ快適に過ごす。但し、夜からお腹の傷部分が少しチクチクと痛み出す。それが深夜になるともう辛抱できないものになり、思わずナースコールで痛みを訴える。脊髄からの麻酔が切れ気味だったので追加をしてもらうが、あまり効果はないようで痛みは消えない。深夜になるとまた痛み出したので、再度アピールすると、さらに強いタイプの麻酔を脊髄から入れてもらう。少し痛みは和らぐ。
 
2000.5.11
えっ!?もう歩いている!!
手術から2日目。別途の上で寝返りを打ったり、いろいろな運動を始めるよう促される。(このときに初めてのガスが出る)やっぱり力を入れると傷口が痛い。それでも、ゆっくりと運動を続けていると、ベッドの上に腰掛けてみることを提案される。恐る恐るやってみるが、案外無理なくベッドに腰掛けられた。膀胱についでもらっているホースをはずしてもらう。夕方「一度立ってみますか?」と、言われたので、看護婦さんに両側から支えてもらって立ってみる。「フラフラしますか?」と聞かれたが、そんなこともなく立つことかできる。それならゆっくりと歩いてみましょうということで、ナースに抱えられながら点滴キャリアを押しながら、トイレまで行ってみる。ふらつくことも、めまいする事もなかったので、すぐに歩き始める。もう、夜には、起き上がる際のお腹の痛みを除けば、問題なく一人でトイレに移動できるようになった。割と回復力は早いほうなのか、ナースや主治医から「あっ。もう歩いてる?」と驚かれる。
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2000.5.12〜14
驚異的なペースで順調に回復。
この間も順調に回復を続け、病院内も点滴を引き吊りながら、歩き回る。からだも目に見えて元気になっているようで、看護婦さんからも「元気ですね」と言われる。
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2000.5.15
最終の検査結果を教えてもらう。

夜、手術の組織検査などの結果が出たとのことで、家族に説明がある。削除した部分は悪性であったとのこと。進行度合いとリンパにも癌細胞があったことにより、ステージV(全5段階の第4段階)・デュークスC段階まで進行していたらしい。現在、他の部位への転移は認められないが、学術的には「5年内の生存率68.9%」ということなので、念には念の化学療法による最終治療の提案があったので了解する。

■病期(ステージ)と生存率

《デュークス分類》

術後5年内生存率
 
デュークスA
95%
癌が大腸壁内にとどまるもの
デュークスB
80%
癌が大腸壁を貫くがリンパ節転移のないもの
デュークスC
70%
リンパ節転移のあるもの
デュークスD
25%
腹膜、肝、肺などへの遠隔転移のあるもの

《ステージ分類》

0期
癌が粘膜にとどまるもの
T期
癌が大腸壁にとどまるもの
U期
癌が大腸壁を越えているが、隣接臓器におよんでいないもの
V期
癌が隣接臓器に浸潤しているか、リンパ節転移のあるもの
W期
腹膜、肝、肺などへの遠隔転移のあるもの

 

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2000.5.16
1週間ぶりに、水を飲む。
(術後1週間) 初めて水を飲むことが許可される。水、お茶を久しぶりに飲む。 ひさしぶりの水に驚いたのか、お腹がゴロゴロ鳴る。お腹の傷のくっつくきが良いということなので、半分抜糸してもらう。
 
2000.5.17
初めての食事に、期待通りの期待はずれ。

流動食が始まる。 3分粥を中心に、ほとんどお箸なしで食べることができるようなものである。これでは食べたという実感も全然ない。食事のあとも発熱もたいしてないので、腹膜炎などの心配もなく、経過も順調のようである。

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2000.5.18
げっ!!お腹が28cmも切れている。
おなかの傷もほとんどくっついたということなので、すべて抜糸してもらう。 おなかをちょっとのぞき込んでみると、おへそを迂回して28cm(後日計測)の傷である。「凄い!なんかフランケンシュタインみたい」と思う。 食事は5分粥中心になる。
 
2000.5.19
やっと、自由の身になる。

もう食欲もあり、十分元気に歩き回っているので、点滴を取り去ってもらう。 この頃から便秘が気になり出す。それほど食べたものがないせいもあるだろうが、また、腸を切ると交感神経・副交感神経のバランスなどが崩れるので、便秘か下痢などにはなりやすいという説明を受ける。食事は5分粥中心になる。

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2000.5.20
便秘に悩まされる。
やっぱり便秘が改善されず、夜中なども何度もトイレに行きたくなってよく眠れないので、便をやわらかくする薬をもらう。深夜に一度すべてが出て快調になる。 食事は7分粥中心
 
2000.5.21
夜中に何度もトイレで目が覚める。
実際、直腸も切り取られて容積が小さくなっているそうなので、すぐにお腹がふくれ溜まった感じがする。トイレに行っても全然気張った感じがつかめないので、便を出すのにも根気が必要になる。夜に7、8回はトイレに行きたくなるので、なかなか睡眠がとれない。食事は7分粥中心になる。
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2000.5.22
普通食がはじまる。退院日が決まる。
食事が普通食になる。昼は好物のカレーライスが出た。年輩の人たちはこんなたくさん食いきれない、とみんなぼやいていたが、私はこれで満足であった。主治医が来てガーゼ交換の際に 「傷もほぼくっついたので、これなら次回の化学療法が終わってから、退院してもいいですよ。」と言われる。
 
2000.5.23
総回診で、ひと安心。
総回診の時に、外科部長先生にお腹をチェックしてもらいながら、「あれだけの困難な手術だったのに、早い回復でよかったですね」と言われる。
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2000.5.24
化学療法2回目
点滴にて2回目の化学療法を受ける。夜、車で荷物を取りに来てもらう。そのまま外泊退院で家に帰る。ひさしぶりの犬に会えたのが一番うれしかった。
 
2000.5.25
手続きが完了し、正式に退院。
午前中、会計に来て支払いを済ませて、退院となる。内視鏡検査から数えてまる1カ月の入院生活が終わる。
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大腸癌の退院後については、こちらをご覧ください。
大腸癌の予後については、こちらをご覧ください。
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